今夜あなたの夢を見ます

自閉症スペクトラム障害と統合失調症を抱える私が、唯一心的どすっぴんでいられるところ。

掘り出し物レビュー③

 

【Main Street Electrical Parade/Shinichi Osawa】
誰であれ一度は耳にしたことがあるだろうメロディー。Disneyの「MAIN STREET ELECTRICAL PARADE」をmondo grosso大沢伸一がハウスリミックスしたもの。自らDisneyに近付くことの少ない私が「House☆Disney」と銘打ったコンピレーションアルバムを購入したキッカケがこの曲である。
出会いはyoutube。兄からの薦め。
そんなどこにでも落っこちているような出会い方であっても、それが心を震わせワクワクさせてくれる音楽であることに違いは無かった。一人の男と一人の女がどんなに奇跡的で素晴らしい出会い方をしたとしても、その二人が死を迎えるまで幸せに過ごせるとは言い切れないように、逆も然りなのだ。何の変哲も無い出会い方をした男女が、一生涯共に生きてきた例を私は知っている。  そしてこのくだらない屁理屈は、音楽も然り。出会いの凡庸さと、その音楽が脳内で自動再生される回数の少なさは決して比例するものではない。
夜、一日の終わり。その日の夜は、勿論もう二度と訪れない。 「終わりよければ全てよし」という言葉にもあるように、どんなに悲惨な一日であっても、その終わり―夜という時間が心地良いものとなれば、なんとなく安堵して眠りにつけると私は思っている。
そんな、「夜」のイメージが湧く曲。
一般的に“パレード”というものが一日のどんな時間帯に開かれるのか私にはわからないが、この曲からは夜のパレードの匂いがする。  たとえそのパレードを見ている全ての人達がどんなに最悪な一日を送った夜だったとしても、私がこの曲を聴くことにより頭の中で想像するパレードに入り込めたなら、みんながキラキラした笑顔を浮かべられる気がする。「こんな一日早く終わってしまえばいいのに」なんて想い、吹き飛んじゃうような。それと同時に「この日が終わらなければいいのに」と思えるような。
サビに行き着いた時に見えるそのパレードは、本当に世界が開けたようで、眩しい。思わず手で目を覆いたくなっても、やっぱり何度も繰り返し見て、なんだか頬が緩む。  決して具体的に何か良いことがあったわけではない。なのに、そのキラキラ光る光景を目にすると、嬉しくなってしまう。夜なのに明るくて、それはみんなが笑っているからで、その日遭遇した嫌な出来事も醜い感情も、全てプラスの方向に進んでいく気がしてならない―。 そんなパレードが実在するならば、私はそのオーガナイザーになりたいと思う。その場に来てくれた色んな個性を抱える多くの人達、それは友人だったり、家族だったり、当然全く見知らぬ人も大勢いるだろう。その一人ひとり全員の顔に笑顔を咲かせられたなら、私の抱える小さな蕾も花開くかも知れないから。そして何より、そんな力がまだ私に残されているのなら、大切で掛け替えの無い人の笑顔が枯れてしまっても、また美しく輝けるように支えることくらいはできるかも知れないから。
穏やかな力を秘めた、幸せな曲です。
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